3. オイスターバー
「カキの食べ放題行こう。旬だよ。好きなんだ」と楽しそう、嬉しそう。
ごめん私カキ苦手。
食べてみて苦手なのがわかってからもう10年以上食べていない。
見るのも、相手が食べるのも全然支障ないけど、カキしか置いていない専門店、食べ放題のお店にはさすがに一緒には行けない。
こういう根本的なこと嘘ついて無理することはしないから、
「カキ苦手だから、親友のKちゃんとでも行ってきてよ」さらっと普通に返事する。
「Kちゃん、カキ嫌いなんだよね」(私と一緒)
「だからKちゃん行けないから、行こうよ。おいしいよ。旬だよ。食べ放題だよ」(私苦手って言ってるよね?)
ここまで一気に、ほんの数分の会話。聞こえなかったのかな?
「ごめん。私はカキ苦手。食べ放題のそのお店には行けないから、カキは誰かほかの人と食べに行ってきてね」
ん?って思いながらも、念押ししたし、これでカキのことは終わった話題だと思っていた。
数日後、次に会ったときのランチ、「カキ行こう。旬だよ。俺好きなんだ」
言われた私の頭の中は疑問でグルグル。苦手って話、覚えてないのかな・・・
最後に食べてから10何年も経つし、大人になったから食べられるようになったかも、
という挑戦の気持ちでお付き合いしてみたけど、やっぱり苦手なことは変わっていなかった。
でもこれで、私が本当にカキが苦手で、本当に食べられないことわかってもらえた。と思った。
でもまた、カキが旬の季節になると、「カキ食べに行こう」と言われる。不思議。