30. HGウェディングムービーで撮って出しの撮影していました
仕事として記憶に残っていること、挙式披露宴の結婚式として印象に残っていること。
披露宴会場と編集場所がとても遠く、撮影したデータを届けるために狭い裏廊下階段を何往復も走った。
ちょっとした空間をお借りして薄暗い中編集している様子。
ムービーの動かし方が遅い早いと怒られたこと。
一緒に撮影に行った彼の知り合いのこと。
イマイチなバイトさんの仕事ぶりをみて、私は上手だったんだ・・・ボソッとひとり言で褒められたこと。
荷物が多く大きく重く、行き帰りの移動が大変だったこと。
本格的なチャペルでの厳かな挙式。
お二人の人柄がわかる会場内の人が喜び楽しみ、盛り上がる余興。
ちょっと当日ケンカしてしまっていたお二人。
お客様にも会場の人にも私が素人だと見抜かれないようにすること。
自分に出来る最善の撮影をすること、伴う結果があること。
新郎新婦にポーズをとってもらうカットを撮らなければいけないこと。
他社さんを参考に勉強して、花婿さんの足元を撮るようになったり。
必要なカットが決まってくると、撮影も編集も楽になったこと。
編集が完了しても、出来上がるまでのその時間がまた緊張だったこと。
大きなスクリーンに流れる映像を見ることが好きだった。
招待客の皆さまと同じような気持ちで感動、制作者側としての安心感。気を張っていた長い一日がやっとホッとできる瞬間。
遊びに行く日に「終わっていないから出かけられない」と言われ、予定変更で部屋に行き撮影後のアルバムを制作したり。
「問合せの電話にいつも自分が出るから一人でやっていそうと思われそう」と、発送する郵便物の宛て名書きをお願いされたり。
今日はゆっくりできる日だと思って会っているのに、突然思い出し「お客様との約束があった」と突然言われ、急いでマンションの喫茶で打合せに同席し、その場の会話から情報収集しながら会社のスタッフのように説明したり。
HP見たけどプランの違いがわからない、という問合せメールに対して、
「どう返答したら良いかわからない」「技術的なグレードの違いと料金も書いてあるのに、わからないことがわからない」と彼は悩んでいる。そのお客様の気持ち、私とてもわかる・・・
同じ会社で働いているのでもなく、仕事の延長で知りあったわけでもないのに、
仕事の時の顔・仕事のやり方を直接目に出来る関係は珍しいと思う。
彼が自分の会社ウェディングムービーの仕事に私を関わらせていた。
「彼の経済的安定、生活のため。二人の未来の為」だから、手伝いと言っても他人事ではなかった。
プライベートの予定変更も、「一生に一度のお願い。手伝ってほしい」と撮影日直前に言われても引き受けた。
仕事の様子を見ていると本当にこの人は技術者なのだと痛感。
管理事務的なことが苦手。
私とは仕事の仕方や優先順位が違って、驚かされることも学び得ることもあり、逆にフォローできることもあった。
彼の会社、彼の仕事。二人で協力していた。
はずなのに・・・、
「俺は今まで一度も私にひどいことを言ったことはない」
「俺に迷惑をかけてばかり」
「今まで俺の役にたったことをしていない」と、心が凍り付く受け流すことができない多数の言葉を言われてしまった。
言ってしまうってことは、本心。これが本当の彼の考え、気持ち、心根、本質。
私って、そんなことを言われてしまう程ダメ人間なのかな。
あなたが人生で一番苦しい時期、先が見えない不安を一緒に考えて動いてきた。あなたに未来を生んだ。
会社としての制作物ではないけれど、
最初に制作したエンドロールが結婚式で流れてから来年で10年。
起業しても維持していくことができない会社が多い中で、HGウエディングムービーを業務に加えて10年継続できた。すごいことだと思う。
今もこの先も私は関係ない、でも自分が関わったものが良いほうが良い。
依頼しない方が良かった、なんてお客様に思われてしまう会社でないほうが良い。
コロナは人の心を弱らせる。形のない理由がわからない不安が増える。
余計なことを思い出させる。
明日が見えない。明日を見ようと思えない。
弱っていた心身には堪える。