7. 夕ごはん買いに行こう
朝早く新幹線に乗って他県へ仕事のお手伝い。
この仕事を会社の業務に提案したのは私。彼の技術がいかせる新しいジャンルの仕事。
応援も協力もする。けれど、会社は彼のもの。
一人きりだから相談相手になったり、自宅でする仕事は手伝ってはいたけれど、
当日の撮影まで手伝うつもりはなかった。
プライベートで出かけた日、改めて一眼レフで撮影するように言われ、撮った写真を確認され「大丈夫」と。
勝手に腕試しテストが実施されて、合格だった模様。
人材確保が大変になり、思いのほか私のカメラの腕が合格点レベルだったから、
いつの間にか「手伝ってほしい」と言われるようになった。ような。
でも、私をあてにして依頼するのは数日前。
断る権利はもちろんあるけれど、断ったらあなたの仕事が・・・会社の信用問題に直結する。
私は友人ではない。仕事仲間ではない。人生を共に生きると決めているから一緒にいる。
色々考えて、引き受けるべきだと引き受けます。
今回さすがに何百キロも移動は遠く、本業ではないカメラマンで二日連続の仕事。
お客様の為に良い写真撮りたい。会社の為にも失敗できない。
一眼レフ抱えて、静かに素早く動き回って長時間撮影するのは堪えます。
披露宴が終わる頃、頭痛と吐き気に襲われてトイレに飛び込んだ。
翌日のレストランウエディングの為に、そのまま夜遅く時間をかけて都内に戻り、
ホテルの部屋に着いてやっと横になって休めると思った瞬間、「夕ごはん買いに行こう」
体調悪いことは伝えてあった。
パソコンや機材が大量に入った大きな荷物運んで、ここまでフラフラになりながらやっと辿り着いた。
具合の悪さも相まって「買い物なんて行けない。何か買ってくるよ、とは言えないの?」たぶん怒りを込めて言った。
「体調悪いとは聞いたけど、動けない程とは言われなければわからない」
「自分もやっていることだ」「嫌ならやらなければいいじゃん」「バイトは簡単にみつかる」だそうです。
一日頑張って手伝って、具合悪い状態で、これは心が痛い。
それでも翌日も笑顔でしっかり手伝いました。
これは仕事。引き受けたからには責任もって行います。
でも、ただの友人に依頼されたのであれば引き受けません。断ります。
あなたが頑張っている仕事だから私はやっている。
それは私の勝手な余計なお節介ってこと?