6. 会話泥棒
彼は無口な男性ではない。むしろ男性にしてはよくしゃべる。
何かを待っている長い列の間でも、食事中も会話に困ることはない。
フットワークも軽い。
情報収集も上手。
話題になっているオシャレな食べ物にも女性の私より興味がある。
新しくオープンするショッピングセンターや話題のお店、イベントに行くことも好き。
「この前友達に会ったら、〇〇に行ってきたんだって。それでね・・・」の途中くらいに私の会話に反応する。
「〇〇は良いところだよ。近くに××があって、そこも良かった。ランチなら△△が有名だけど行ったかなー」と楽しそう。
でも私が話したかった続きは、
「着いた途端、子供の具合が悪くなってとんぼ返りだって。遠くまで行ったのに残念だよねー」だったりする。
会話は楽しいけれど、私だって自分のしたい話がしたい。
奪われてばかりでは面白くないときもある。
あまりにも頻発して、さすがにストレス感じ「会話泥棒だよ」って命名した。
それからは奪われたとき相づちをしないで聞いていると、気付いて「あ・・・」って会話返してくれるようになった。