9. あー すっきりした
さよならをした。
一日一緒に過ごすこと、三日一緒に過ごすことは楽しい。
出かけることも、食事することも、他愛のない会話も楽しい。
でも、決定的な出来事にも彼は「私が悪い」と言いきった。
それは納得できることではなかった。私が悪かったねごめんね、と受け入れることはできないことだった。
もちろん話し合いをしてみた。
でも「自分は悪くない」の一点張りでそれ以上は無視無言。話し合いにもならなかった。
こんな大事なことにまで、自分の主張だけで、譲りあい落としどころをみつける考えがない人。
私はこの人から離れることを決めた。
変な男に出会ってしまった。はい終わり!
なんて簡単に切り換えできた訳ではないけれど、大切なものが違うのだから仕方がない。
数か月後、「やり直したい」と言われた。
私にとっては別れた人。
変な女だ。わがままな女だ。怖い女だ。と、この先どう勝手に思われたって構わない。
ここまできたら多少相手を傷つけてしまったって仕方ない。
求められるだけ求められ、何かがあると言葉で攻撃されることに、私は十分傷ついてきた。
ということで、思いっきり、別れた理由をぶちまけた。
あなたの〇〇が嫌なのよ。
あなたは〇〇がダメなのよ。
〇〇のとき〇〇って言うのは自分勝手。言っていることの意味がわからない。
〇〇のとき〇〇したでしょ。それはおかしいでしょう。
あなたはいつも自分のことだけ。二人のことを考えていない。
自分の言いたいことだけを言いきって無視無言になる、そんな男性と一緒にいたくない。そんな人となんてやっていけない。
あー すっきりした。
発生したその時に話してきたことと変わりはないけど、今まで感じていたこと実際に起こったことを思うままに、全部まとめて言った。
無視、無言、否定、罵られてきたこと、落ち着いてゆっくり整理して思いを伝えた。
初めて反論されないで聞いてもらえた。
言葉にできて、それを聞く姿勢で聞いてもらえて、すっきりした。
彼は、自分のしたことしなかったこと、自分の会話のおかしさに全く気付いていなかった。
私が別れを選んだ理由もわかっていなかった。
言いたいこと言った私に対して「やり直したい。自分が悪かった。同じことはもうしない」と言ったけど、そんな一言でなんて騙されない。
自分で言ってるじゃない「俺のことは私が一番良くわかっている」って。
私が話したことを、正しく受け止めてくれているとは信じられない。
後から都合よく話しの解釈を変えられたり、全く違う真逆の話になっていたり、そんな話はしていない、そんなつもりではなかった、といつ言いだすか…信じられない。
それでも「やり直したい」と何度も言うので、手紙にして私自身も自分の伝えたいことを確認したり、もした。
そこまでしても「やり直したい。自分が悪かった」と言ってくれたから、今度こそは伝わったと思ってしまった。
「自分が悪かった。同じことはもうしない」というあなたを信じてしまった。
これは私の1回目のバカな判断だった。